ceramic studio blank は、作家個人による工房です。
常になにかの容れものである器とは、いわばそれ自体としてはblank[空白、余白]にほかなりません。
器を制作することは、無限の空間的な広がりを区切ってそうした空白、余白のかたちを実現することだと考えています。
制作過程を紹介します。
鋳込み成形
写真の①〜⑤のように、最初に石膏で出来上がりの器の型を作り、さらにその周りの石膏型を作成し、この型に泥漿(粘土をドロドロにしたもの)を流して器を作る方法です。
一般的には大量生産の製品に利用される方法ですが、私は変形した自由な形や凹凸を再現したい時に用いています。
手仕事の温もりと型による制作のキリッとした雰囲気が出ます。
磁器の1300℃還元焼成
釉薬を掛けた後に行う本焼きには、酸化焼成と還元焼成があります。
一般的に磁器は、焼成温度が高く、ある一定の温度帯で窯の中の酸素を少なくする還元焼成を行うことが多いです。
ceramic studio blankの磁器の多くも、電気窯で約15時間かけて1300℃まで温度を上げ還元焼成を行います。
本焼きの時間と温度は器の形や釉薬の状態の変化や、強度にも関わってくる大事なポイントです。
堀家 久美子
HORIKE Kumiko
広島県生まれ
山口大学教育学部で美術教育を専攻し、幅広く美術に触れる中で萩焼を通して陶芸に興味を持つ。
教育職に携わった後、佐賀県立有田窯業大学校にて有田焼の磁器制作を学ぶ。
2008 益子陶芸展 入選
山口県美術展覧会 優秀賞
2009 神奈川県逗子市に開窯
朝日現代クラフト展 入選
2011 国際陶磁器展美濃 入選
2014 ceramic studio blank として活動開始
2015年に出産をして、子育てをしながら制作しています。